「今月はピンチ!」という時に、クレジットカードは一括払いにしなくても、支払い方式を変えることができるので助かりますよね。でも、支払い方式の中には一括払いの他に、各種分割払いとリボ払いがあります。「分割払い」と「リボ払い」、この違いよくわからないですよね?実は支払い方式に関して理解を深めておくと、手数料をかなり節約することができるんです。今回は、クレジットカードの「分割払い」と「リボ払い」の違いや活用方法について解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
「分割払い」と「リボ払い」は、どちらも支払いを分割にしていますが、「一回の買い物を分割にするか」「毎月の支払いを分割にするか」の違いがあります。
買い物をした時に、「分割払い」にすれば、1回の買い物に対して支払する回数を決めて返済することができます。支払回数が多ければ多いほど1回あたりの支払いが安くなりますが、その分手数料が高くなりますので、ご自分の予算に合わせて選ぶことができます。
一例として、三井住友VISAカードを使って5万円の商品を「5回払い」「10回払い」「24回払い」分割払いにした場合でシミュレートしてみましょう。
支払回数 |
利用代金100円当たりの手数料(年率) |
分割手数料 |
支払総額 |
分割支払額 |
---|---|---|---|---|
5回払い |
3.35円(13.25%) |
1,675円 |
51,675円 |
10,335円 |
10回払い |
6.70円(14.25%) |
3,350円 |
53,350円 |
5,335円 |
24回払い |
16.08円(14.75%) |
8,040円 |
58,040円 |
242円 |
このように24回払いにすれば、5万円の買い物も月々の支払いがたったの『242円』になりますが、手数料を『8,040円』も払っていることになります。
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リボ払いとは、毎月の支払いを一定の金額にする支払い方式です。例えば、毎月の支払いを1万円と設定すれば、その月はどんなに買い物をしても支払いは1万円のみとなります。しかし、決済が終わるまで手数料を払い続けなければなりません。リボ払いは分割払いと比べて少し複雑なので、大きく3つに分けて説明します。
毎月の支払いを〇〇円と決めて返済する方式のリボ払いで、クレジットカードのリボ払いにおける最も一般的な支払い方法です。定額方式の中には、返済額に金利手数料をプラスした「元利方式」と返済額に金利手数料を引いた「元金方式」があります。
借入残高の〇%を決めて毎月返済する方式のリボ払いで、クレジットカードのリボ払いでは比較的マイナーな支払い方式です。定額方式と同様、返済額に金利手数料をプラスした「元利方式」と、返済額に金利手数料を引いた「元金方式」があります。
残高スライド方式とというリボ払いは、段階的に支払金額を変化させる方式です。支払いが早く終わりますので、それだけ手数料が少なく済むというメリットがあります。残高スライド方式の中には、「残高が〇〇円以上あれば10%、〇〇万円以下になったら7.5%にする」などという『残高スライド定率方式』と、「残高が〇〇万円以上なら毎月2万円払い、残高が〇〇万円以下なら毎月1万円ずつ払う」などという『残高スライド定額方式』があります。
それでは実際に、三井住友VISAカードを使って5万円の商品を購入した場合、最も一般的な支払い方式である『定額方式+元金方式』でのリボ払いの例をシミュレートしてみましょう。
支払回数 |
月の支払いコース |
リボ手数料 |
リボ支払金額 |
---|---|---|---|
1回目 |
10,000円 |
625円 |
10,625円 |
2回目 |
10,000円 |
500円 |
10,500円 |
3回目 |
10,000円 |
375円 |
10,375円 |
4回目 |
10,000円 |
250円 |
10,250円 |
5回目 |
10,000円 |
125円 |
10,125円 |
合計 |
|
1,875円 |
51,875円 |
このように、リボ払いでの支払金額は設定した1万円+手数料なので月々に支払うお金はほとんど変わりません。仮に翌月5万円の買い物をしたとしても、支払回数がさらに5回伸びるだけで月々の支払い額に変動はありません。
「分割払い」にも、「リボ払い」にも、メリット・デメリットがあります。それぞれを解説しますので予算に応じて使い分けてみてください。
分割払いのメリットは、「月々の支払いがリボ払いと比較すると安くなる」ということと、「必ず決済できる」という点です。例え分割払いを最長の24回払いにしたとしても、たいていの場合手数料はリボ払いよりも安いですし、24ヶ月後には必ず決済できます。
一方、分割払いのデメリットは、「買い物一つに対して分割払いを選択しなければならない」ので、複数の買い物をした時に、「現在いくら支払いが残っているか管理がしづらくなる」ところにあります。例えば、5万円の買い物を10回払いにすれば、月々の支払い額は5,335円ですが、翌月10万円の商品、翌々月8万円の商品を同じように10回払いで購入するとしたら、現在毎月いくら払っているかわからなくなってしまいます。
さらに、分割払いは支払回数が決まっていて、たいていの場合次の9種類以外変更することはできません。よって、高額な商品を買う際も、24回以上の分割払いをしたいと思ってもできません。
3回、5回、6回、10回、12回、15回、18回、20回、24回
リボ払いのメリットは、「月々の支払い額が決まっているので管理しやすい」というところにあります。毎月高額の商品を買ったとしても、月々の支払い額は設定した金額がと変わりませんので、1万円と設定すれば、毎月の支払い額はクレジットカードをいくら使っても1万円となります。
一方、リボ払いのデメリットは、「分割払いよりも手数料が高い」というところにあります。また基本的に決済に終わりがなく、クレジットカードを利用している限り常に手数料を払い続けなければなりません。
リボ払い、分割払いの共通するメリットは、「高額な商品を気軽に買える」ということ、共通するデメリットは「手数料がかかる」ということです。現金では手が届かなかったような商品でも、クレジットカードの支払い方式を変えれば自由に買えます。しかし、実際に買い物した額が数万円でも、月々に支払う額は数千円にすることができるので、リボ払い、分割払いどちらとも金銭感覚が狂ってしまわないように気をつけておかないと、思わぬ借金を抱えてしまう危険性があります。
手数料の点からみれば、分割払いのほうがリボ払いよりお得といえます。なぜなら、ほとんどのカード会社は、分割払いならたとえ最長の24回払いにしたとしても、リボ払いの手数料よりも安く設定しているからです。多くの会社がリボ払いにすると〇〇ポイントを進呈しますというようなキャンペーンをしているという事実は、「リボ払いが会社側の強い利益になっている」ということの証拠といえるでしょう。
しかし、一方でリボ払いの場合、「いくら買い物をしても月々の支払い額は同じである」というメリットを考えると、今月クレジットカードを使いすぎてしまって支払いができないかもしれないというような心配をしないですみます。支払いの遅延をしてしまったという事実は、どのクレジット会社も自由に閲覧できる「信用情報機関」に登録され、今後新しいクレジットカードに入会するときに不利になってしまいますので、この点では支払金額が変わらないリボ払いのほうにメリットがあるといえます。
繰り上げ返済とは、本来よりも早く支払いを済ませてしまうことです。支払期間が長くなれば長くなるほど、手数料は増えていくので、分割払いにしてもリボ払いにしても、大切なのはできるだけ早く決済することです。
例えば、5万円の商品を24回払いの分割払いかそれに相当するリボ払いにした場合、ボーナス時期などお金に余裕がある時に決済を済ませて10月目で終わらせるなら、11か月目から24か月目までの手数料は支払う必要がなくなるため、およそ5,000円安くなります。
実際のところ分割払いかリボ払いかの選択肢よりも、どれだけ支払期間を短くするかのほうが大切です。急な出費が出てしまうのはしょうがないことなので、出来るだけ早く支払いを済ませてしまうように心掛けていきたいですね。
今回は、「分割払い」と「リボ払い」の違いについて解説しました。「分割払い」とは、「一回の買い物を分割する支払い方式」で「リボ払い」とは、「毎月の支払いを分割にする支払い方式」です。それぞれメリット・デメリットがありますが、手数料の面からいえば分割払いのほうがお得です。しかし、最も大切なのは、出来るだけ早く支払いを済ませてしまうことです。クレジットカードには、いろいろな支払い方式がありますので、無理のない支払い方式を選んでくださいね。