カード会員向けの優待サービスとして、海外旅行保険を付帯させているクレジットカードは幅広い世代の人から強い人気を集めています。
今回は、海外旅行保険の補償が充実しているカードの中でも“年会費が無料のクレジットカード”に的を絞ってご紹介していきます。おすすめのカードだけでなく、選び方や利用時のポイントなども解説していきますので、海外旅行保険を目的としてクレジットカード作りを検討されている方は是非参考にしてみてください。
カードの付帯保険として海外旅行保険の補償内容を充実させているクレジットカードというのは多く発行されています。年会費が多少発生したとしても、渡航の都度保険に加入すると考えると、年会費を払ってクレジットカードを持った方が格段にお得であるというケースも少なくありません。
とは言っても毎年、年に数回海外渡航をするかと聞かれると、自信をもって「はい」と答えられるという人は少ないのではないでしょうか?もちろん、今は渡航予定がありこの先も海外に行きたいと考えていても、仕事の都合や家庭に都合などで定期的に確約して渡航を続けていくことは難しいという方も多いでしょう。
仮に渡航をしない年があったとしても、年会費無料のクレジットカードであれば損をすることはありません。学生や若者などカードを保有することにお金をかけたくないという方も、年会費無料のクレジットカードであれば気兼ねなく持つことができるのではないでしょうか?
年会費が無料であっても、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードというものは多く発行されています。そこで今回は、年会費が無料という点にプラスして“比較的補償内容が充実している7枚”をピックアップしてご紹介していきます。
クレジットカード会社としては老舗の「ジャックス」と価格.comなどのインターネットサイトを運営する「カカクコム」が提携して発行しているのが当該REX CARDです。
年会費無料のカードの中でトップクラスのハイスペックでありながら、カードの券面デザインも安っぽくなく出す時に恥ずかしくないと幅広い世代から人気を集めている1枚です。
カード発行元 |
ジャックス |
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年会費 |
無料 |
ポイント還元率 |
1.25%~1.50% |
保険適用条件 |
国内旅行保険:利用付帯 海外旅行保険:自動付帯 |
海外旅行保険 補償内容 |
死亡・後遺障害…2,000万円 傷害治療…200万円 疾病治療…200万円 携行品損害…20万円(免責3,000円) 賠償責任…2,000万円 救援者費用…200万円 補償期間:最長90日間 《その他》 ・キャッシュレスメディカルサービス利用可 ・緊急医療アシスタントサービス |
備考 |
・ショッピング保険の付帯なし ・家族特約なし
|
ショッピング保険が付帯されていないという点を除けば、年会費無料でここまでの補償内容が自動付帯されているという文句の付けどころのないスペックとなっています。
出国前に特別な手続きを踏む必要や所定のカード決済の必要はなく、カードを持っているだけで補償の対象となるため、忙しい方にもおすすめです。
常時ポイント還元率1.25%という高還元率も当該カードの魅力です。一般的に高還元カードであっても、高還元でポイントが付与される利用先が限られているなど、実際に使ってみるとあまりポイントが貯まらないという声は多く聞かれます。
REX CARDでは、旅行先での利用や公共料金の支払などどこで利用しても1.25%の還元率です。また価格.com内で、当該カードで支払いをするとポイント還元率が1.50%にアップします。
手厚い旅行保険に加えて高ポイント還元率と、お得度・満足度が非常に高い1枚です。
年会費永年無料なのにポイント2.5倍で還元率なんと国内最高水準の1.25%!毎日のお買い物や公共料金のお支払い、旅行先でのご利用など、いつでもどこでもポイント高還元。ネットショッピングなら最高レベルの還元率1.75%以上!さらに、海外旅行保険が最大2,000万円自動付帯で保険も充実。
ファッションセンタービルでお馴染みのマルイグループから発行されているのが、このエポスカードです。若者向けのファッションブランドを多く出店しているファッションビルの発行カードということもあり、審査のハードルはあまり高くありません。
気軽に持てる1枚を探しているという方にピッタリでしょう。
カード発行元 |
エポスカード |
---|---|
年会費 |
無料 |
ポイント還元率 |
0.50%~1.25% |
保険適用条件 |
自動付帯 |
海外旅行保険 補償内容 |
死亡・後遺障害…500万円 傷害治療…200万円 疾病治療…270万円 携行品損害…20万円 賠償責任…2,000万円 救援者費用…100万円 補償期間:最長90日間
《その他》 ・キャッシュレスメディカルサービス利用可 ・緊急医療アシスタントサービス |
備考 |
・即日発行可 ・国際ブランドはVISAのみ |
こちらも年会費無料で海外旅行保険が自動付帯となっている、人気の1枚です。
補償内容は、傷害・疾病・携行品といった項目に関してはREXカードとあまり変わりませんが、死亡後遺障害・救援者費用に関しては補償金額という点で劣ってしまいます。
エポスカードの強みは、即日発行に対応しているという点です。
急な海外出張や海外旅行など渡航が決まり、クレジットカードを作るのが間に合わない!と焦って即日発行のカードを探すというケースは多く聞かれます。そこまで追われている場合であれば、「即日発行できて渡航に間に合えば何でもよい!」と思う方も多いでしょうが、「時間に余裕があれば、海外旅行保険が充実したカードにすればよかったな」と後から感じることになるでしょう。
エポスカードであれば、WEBやアプリから申し込みを行い、受け取り方法として“エポスカードセンター”を選択します。全国のマルイや系列ショッピングセンターのエポスカードカードセンターにて最短即日受け取りが可能です。
即日発行に対応していることに加えて海外旅行保険が充実しており、渡航に間に合わせるだけでなく渡航中の安心にも一役買ってくれる優秀な1枚なのです。
総合評価 |
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3.9 |
入会金・年会費永年無料で最短即日発行!
JR東日本グループのビューカードから発行されている1枚です。大本がJRという鉄道会社ということもあり、交通系ICのSuica機能が付帯している非常に利便性に富んだクレジットカードとして注目されています。
今回のテーマである海外旅行保険はもちろんですが、国内にいる時にも便利に利用できる汎用性の高いスペックとなっています。
カード発行元 |
ビューカード |
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年会費 |
初年度無料 2年目以降:515円 |
ポイント還元率 |
0.5%~ |
保険適用条件 |
自動付帯 |
海外旅行保険 補償内容 |
死亡・後遺障害…500万円 傷害治療…50万円 疾病治療…50万円 補償期間:最長90日間 《その他》 ・キャッシュレスメディカルサービス利用可 ・緊急医療アシスタントサービス |
備考 |
・ショッピング保険なし ・国内旅行保険あり(利用付帯) |
ビックカメラSuicaカードの海外旅行保険に関する強みは、海外旅行保険事故受付センターの窓口の多さにあります。渡航中、病気や事故といったトラブルが発生した際に、どこのカード会社の保険を使う場合でも、まずは事故受付窓口やアシスタントコールセンターに連絡をすることが必要です。
医療施設の紹介やキャッシュレスサービスを受けられる医療施設の検索など緊急性を要する内容を知りたい場合など、フリーダイヤルの窓口が多いのは非常に心強いですよね。
ビックカメラSuicaカードの海外旅行保険は「三井住友海上火災保険株式会社」「AXAアシスタンス社」と提携して提供されているサービスです。国や地域ごとに46か所の窓口が用意されていますので、渡航前に自分の渡航先の受付窓口を確認しておきましょう。
(※エポスカードの海外旅行保険も、同じく「三井住友海上火災保険株式会社」「AXAアシスタンス社」と提携して提供されているサービスです)
年会費は515円となっていますが、2年目以降についても前年度に1度でも利用があれば年会費は免除となりますので、実質年会費無料カードと言って良いでしょう。交通系ICが付帯しており年会費がかからないカード自体が少ない中で、Suicaの機能・海外旅行保険がしっかりと付いていて年会費無料という優れた内容となっています。
クレジットカードチャージをしたSuicaを使ってビックカメラでお支払いすると、チャージポイント1.5%とビックカメラの10%ポイントを合わせて11.5%ポイント還元
オランダに本社を構えるオンライン旅行会社である、「ブッキング・ホールディングス」が三井住友カードと提携して発行しているクレジットカードです。
宿泊予約サイトとして世界最大の利用実績を持っているBooking.comだけあって、旅行に関する様々な特典が付いているのが魅力となっています。海外旅行保険という面だけでなく宿泊予約に関してもお得にしたいという方から人気の1枚です。
カード発行元 |
三井住友カード |
---|---|
年会費 |
無料 |
ポイント還元率 |
1.0%~ |
保険適用条件 |
一部利用付帯・一部自動付帯 |
海外旅行保険 補償内容 |
死亡・後遺障害…300万円(自動付帯) …+1,700万円(利用付帯) 傷害治療…100万円 疾病治療…100万円 携行品損害…20万円 賠償責任…2,500万円 救援者費用…150万円 補償期間:3ヶ月間 《その他》 ・医療費キャッシュレスサービスあり ・ショッピング保険年間100万円まで ・最短3営業日発行 |
備考 |
・国内旅行保険も自動付帯と利用付帯がある ・家族カード発行不可 |
当該カードの特徴は、死亡・後遺障害が「自動付帯の場合は300万円の補償」「利用条件を満たした場合は+1,700万円の補償(つまり、最高2,000万円の補償)」となる点です。
ただ持っているだけでも補償を受けることができますが、利用条件を満たすことで一気に補償金額を跳ね上げることができます。
賠償責任についても最高2,500万円と非常に手厚い点や最高100万円のショッピング保険も付帯している点もポイントです。
常時ポイント還元率が1.0%と高めなのも嬉しいですね。宿泊予約サイトと提携を結んで発行しているカードというだけあって、Booking.comでの利用で常にポイント5倍と、ポイントが貯まりやすいのもメリットです。
オンライン旅行会社を良く利用するという方は、当該カードにすることで旅行の安心とお得な宿泊を同時に実現させることができるでしょう。
横浜観光プロモーションから公式認定を受けている当該カードは、横浜の夜景がデザインされた特徴的なカードです。いわゆる地元復興型クレジットカードの一つであり、“横浜”という部分をとって通称“ハマカード”と呼ばれています。
カード発行元 |
ジャックスカード |
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年会費 |
無料 |
ポイント還元率 |
0.50%~ |
保険適用条件 |
自動付帯 |
海外旅行保険 補償内容 |
死亡・後遺障害…2,000万円 傷害治療…200万円 疾病治療…200万円 携行品損害…20万円 賠償責任…2,000万円 救援者費用…200万円 補償期間:最長90日間 《その他》 ・キャッシュレスメディカルサービス利用可 ・ショッピング保険最大100万円 ・日本語アシスタントサービスあり |
備考 |
・最高1,000万円の国内旅行保険は利用付帯 ・国際ブランドはMastercardのみ |
補償金額だけを見ると、最初に照会したREX CARDと同額の補償を受けることができます。更に当該カードでは、REX CARDにはなかったショッピング保険(最高100万円)が付帯しています。
ショッピング保険とは、この横浜インビテーションカードで買った商品が破損・盗難などの損害にあった時、補償してくれるというサービスです。海外旅行先でショッピングを楽しむ予定の方だけでなく、日頃の買い物もこのショッピング保険があるのとないのでは大きく変わってきます。
カードに付帯している保険のスペックという点においては、年会費無料カードの中では1番優れていると言っても過言ではありません。
地域密着系のデザインであるにも関わらず、全国各地から申し込みが入り利用者は増加傾向にある今注目の1枚です。
同じジャックスカードから発行されているカードではありますが、ポイント還元率という点においてはREX CARDの方が優勢です。また、国際ブランドもMastercardのみとなっているので注意しましょう。
ステータス性の高いカードとしてもお馴染みのアメリカン・エキスプレスと日本のクレジットカード会社セゾンが提携を結んで発行している1枚です。
アメリカン・エキスプレスのシンボルマークであるセンチュリオン(百人隊長)が大きく描かれており、年会費無料のカードには見えません。周りの人とちょっと差を付けたいと考えている方にもおすすめです。
カード発行元 |
セゾンカード |
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年会費 |
初年度無料 2年目以降:3,300円(税込) (※26歳未満の方は年会費無料) |
ポイント還元率 |
0.5%~ |
保険適用条件 |
自動付帯 |
海外旅行保険 補償内容 |
死亡・後遺障害…3,000万円 傷害治療…300万円 疾病治療…300万円 携行品損害…30万円 賠償責任…3,000万円 救援者費用…200万円 《その他》 ・治療費は後日精算 ・ショッピング保険100万円 ・海外アシスタントデスク利用可 |
備考 |
・国際ブランドがアメリカン・エキスプレスのみ ・海外旅行時に利用できる宅配やWi-Fiなどのサービスが多い ・アメリカン・エキスプレス会員向けの優待サービスを一部利用可 |
海外旅行保険に関しては、最高3,000万円・傷害疾病治療も300万円まで補償と非常に手厚い内容となっています。ショッピング保険やアシスタントデスクも利用することができるので、これ1枚持っていれば海外渡航時の強い味方になってくれるでしょう。
今回のテーマは“年会費無料で海外旅行保険が充実しているカード”ということですが、当該カードが年会費無料となるのは26歳になるまでの間です。26歳以上の方は3,300円(税込)の年会費が発生してきますので注意してください。
とはいっても、26歳以降も年会費3,300円(税込)でこのカードのスペックであればかなりコストパフォーマンスが良いカードであると言えます。通常のアメックスカード(いわゆるグリーンカード)は、年会費が12,000円と非常に高く気軽に持つことのできるものではありません。当該カードは26歳以降も年会費は3,000円と比較的持ちやすい金額でありながら、アメックスの特典の一部を利用することができるのです。
通常であれば3,300円(税込)の年会費がかかるカードというだけあって、海外旅行保険やその他優待サービスなどがかなり充実しています。25歳以下であれば、学生でなく働いていても年会費の優遇を受けることができます。25歳以下の方は、是非セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードを検討してみてはいかがでしょうか?
年会費初年度無料!さらに26歳まで年会費無料!ポイントはJAL・ANAマイルに無料で交換可能なので普段使いでマイルがたまる。アメックスのステータスを身近に感じれる1枚!学生から主婦まで、普段使いから海外利用まで使える万能カードです。
学生最強クレジットカードとの呼び声も高いこのカードは、年会費が無料なのにとにかくハイスペックです。今回のテーマである海外旅行保険はもちろん、他にも海外利用時にお得になるサービスが揃っています。今現在学生ということであれば、このカードを見逃す理由はありません。
カード発行元 |
ライフカード |
---|---|
年会費 |
無料 |
ポイント還元率 |
0.50%~1.00% |
保険適用条件 |
自動付帯 |
海外旅行保険 補償内容 |
死亡・後遺障害…2,000万円 傷害治療…200万円 疾病治療…200万円 携行品損害…20万円 賠償責任…2,000万円 救援者費用…200万円 《その他》 ・海外アシスタントサービスあり ・キャッシュレスメディカルサービスあり |
備考 |
・学生専用 ・ショッピング保険なし ・国際ブランドはVISA、Mastercard、JCBから選択可 ・海外ショッピング5%キャッシュバック |
海外旅行やホームステイなど渡航を控えた学生に最もオススメなのは、この学生専用ライフカードです。自動付帯で上記の補償が付くだけでなく、お得に利用できる様々なサービスが揃っています。
特に注目してほしいのは、「海外ショッピング5%キャッシュバック」というサービスです。年間最大50,000円まで、カードによる海外ショッピング利用がキャッシュバックされます。手厚い海外旅行保険による安心感だけでなく、お得度も高い当該カードは学生の強い味方となってくれるでしょう。
卒業後は、ライフカードゴールドに切り替えを行うことができます。別途審査は行われますが、社会人1年目からゴールドカードを手にすることができる可能性が高まるでしょう。ゴールドカードにランクアップすると、補償金額は最高1億円と非常に手厚いものとなります。しかしその分年会費が11,000円(税込)発生してきてしまいます。
同じライフカードで上記の海外旅行保険を付帯させるとなると一般向けの「ライフカード<旅行傷害保険付き>」に加入しなおさなければなりません。こちらのカードは年会費1,375円(税込)です。
いずれのカードにしても年会費が発生してきてしまいますので、学生であればこの学生専用ライフカードを選ぶことが得策ではないでしょうか。
ライフカードに学生限定特典満載!業界最高水準のポイントプログラム!初年度ポイント1.5倍、誕生月はポイント3倍で大幅アップ!そしてポイント有効期限が最大5年間で安心してポイントを貯められます。年会費無料なのでポイント重視の2枚目カードにもピッタリです!最大15,000円分のポイントキャンペーンは見逃せない!
「年会費無料のカードにも関わらず、海外旅行保険が付いているというはどういうことなの?」と思ったことはありませんか?
通常海外旅行保険というと、渡航先や保険適用期間・補償内容などを選んで加入します。条件によって差はありますが、1日程度でも1,500円前後の保険料が発生してきます。パッケージツアーなどでは、ツアー代金に保険料金が含まれていることもありますが、そうでない場合は自分で保険会社を選び保険料を納める必要があります。
そんな手間とお金がかかるはずの海外旅行保険が年会費無料のクレジットカードを持っているだけで補償を受けられるというのは、上手い話過ぎると考える方も多いでしょう。
消費者にとっては非常にお得で嬉しいサービスでありますが、カード会社としてもこのようなサービスを行うことで他社との差別化を図り自社の顧客を増やしたいという作戦があります。
確かに、お金を払って自分で加入する保険や年会費をしっかりと取ってくるクレジットカードの保険と比較すると補償内容や現地医療機関とのやりとりなど劣る部分はあるのは事実です。しかし、「クレジットカードの無料の保険なんて使いものにならない」なんてことは決してありません。以下で解説する、3つのポイントをしっかりと頭にいれて上手に利用すれば、無料の保険でも十分な補償を受けることは可能となります。
クレジットカードに付帯している保険には2つの種類あります。
利用付帯の適用条件というのは、各カード会社によって異なります。
一例としては、・航空券の代金 ・空港までの交通費 ・パッケージツアー代金 ・宿泊代などを該当カードで決済することが条件となっていることが多いです。
利用条件に加えて、カードによっては渡航前に事前の手続きが必要な場合などもありますので、注意が必要です。自分の選んだカードの保険がどちらに属するのかというのは非常に重要なポイントです。
傾向としては、年会費無料~年会費が割と低価格なクレジットカードに付帯している海外旅行保険は「利用付帯」であることが多いです。また、同じ年会費であっても自動付帯よりも利用付帯のカードの方が、補償内容が充実している傾向にあります。
海外旅行保険目的で作ったカードを日常的に使うメインカードとするのであれば利用付帯のものを選んでも問題ないですが、そうでない場合は自動付帯 つまり持っているだけで保険が適用されるカードを選ぶようにしましょう。
特に団体で旅行に行く場合など代表して1名が旅行代金を支払うケースなどにおいて、利用付帯のカードは不利になります。
自分で海外旅行保険に加入する際は、保険の適用期間を自分で設定してそれに見合った保険料を支払う仕組みです。一方でクレジットカードに付帯している保険を利用する場合は、保険の適用期間というものを設定するわけではありません。
クレジットカードの付帯保険では、補償期間については予め決められており、一般的には最大90日間となっています。
ポイントは、この90日という期間のスタート日でしょう。
種類 |
適用開始日 |
---|---|
利用付帯 |
事前にチケットやツアー代を払っていた場合…出国日から |
現地利用で保険が適用になるカードの場合…現地で決済があったその時点から |
|
自動付帯 |
旅行開始日から |
このように、現地利用で保険が適用になるカードの場合は、現地に到着してカード決済を行う前の段階は補償されないということになってしまうので注意が必要です。
90日以内に帰国される渡航であれば、この90日という日数自体についてはあまり問題になりませんが、90日以上の長期滞在をクレジットカードの付帯保険でやりくりしたいと考える方は、自動付帯のカードだけでなく利用付帯のカードを併せて持っておくことがポイントとなってきます。
保険の適用期間に関しては利用付帯のカードの方が融通を利かせやすいというメリットがあります。保険の適用期間が90日に設定されているカードですと、自動付帯の場合は出国した時点から90日のカウントが始まってしまいます。しかし、利用付帯のカードの場合、使い方を工夫することで同じ90日のカウントが始まる日を調整することができるのです。
例1)半年間(180日)のホームステイを行う場合
自動付帯の保険の適用期間が切れるタイミングで、利用付帯のカードを使うことでそちらの保険適用期間をスタートさせるという裏ワザです。
このように、利用付帯のカードを上手に駆使することで90日以上の保険適用を可能とすることができます。
年会費無料で海外旅行保険が付帯するカードの中でも、比較的補償内容が充実している7枚を今回ご紹介してきました。比較的充実しているとはいっても、やはり年会費が有料のカードの方が、最大補償金額が高額で手厚い補償となっているものが多いです。
「年会費無料だからしょうがないか」と諦めるのは、まだ早いですよ。年会費無料のクレジットカードの付帯保険でも、複数枚保有することで補償内容を上乗せすることができるのです。
海外旅行傷害保険には、主な補償として以下の項目があります。
項目 |
内容 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 |
事故に巻き込まれて死亡した場合や、後遺障害と診断された場合に適用される |
傷害治療 |
偶然な事故による怪我など外傷が発生し、医師の治療を受けた場合の治療費 |
疾病治療 |
風邪や高熱といった感染症など内科的な病気を発症し、医師の治療を受けた場合の治療費 |
賠償責任 |
日常生活内において、他人のものを破壊してしまったり相手に怪我を負わせてしまうなど、法律上の賠償責任を負担した場合に被る損害に対する保険 |
携行品損害 |
盗難や破損などにより、自分が持っていったものに損害が生じた場合の保険 |
救援者費用 |
自分が事故や病気などで入院などをしてしまい、日本から家族に来てもらうことになった場合などの、救援者の渡航代や宿泊費を賄うための保険 |
この中で、実際に使われることの多い項目は「傷害治療」「疾病治療」「賠償責任」「携行品損害」だといわれています。確かに、国内にいても死亡事故や後遺障害となるような事故に巻き込まれる可能性よりも、病気や怪我するリスクの方が大きいですよね。生死をさまよう事故に遭ったという経験をお持ちの方は多くありませんが、多くの方が年間数回病気や怪我で病院にお世話になっているのではないでしょうか。
実は、上記の項目の下5つ(傷害治療・疾病治療・賠償責任・救援者費用・携行品損害)は、複数のカードの補償額を合算させることができるのです。よく使われる項目だからこそ、合算して補償額を上乗せすることは非常に効果的だと言えるでしょう。
実際に上でご紹介した7種類のカードを例に挙げて合算するとはどのようなことなのかシミュレーションしてみましょう。今回は、学生や年齢の制限がなく誰でも申しこむことのできるREX CARD・エポスカード・Booking.comカードの3枚をシミュレーションに採用します。
例)REX CARD・エポスカード・Booking.comカードの3枚を持って渡航した場合
|
REX CARD |
エポスカード |
Booking.comカード |
合計 |
---|---|---|---|---|
傷害治療 |
200万円 |
200万円 |
100万円 |
500万円 |
疾病治療 |
200万円 |
270万円 |
100万円 |
570万円 |
賠償責任 |
2,000万円 |
2,000万円 |
2,500万円 |
6,500万円 |
救援者費用 |
200万円 |
100万円 |
150万円 |
450万円 |
携行品損害 |
20万円 |
20万円 |
20万円 |
60万円 |
このように、上記の項目については補償金額を合算することができます。3枚合わせることで補償金額がかなり上乗せされることが分かるでしょう。
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上記3カードの合計補償額 |
三井住友VISAゴールドカード(年会費¥11,000(税込)) |
---|---|---|
傷害治療 |
500万円 |
最高300万円 |
疾病治療 |
570万円 |
最高300万円 |
賠償責任 |
6,500万円 |
最高5,000万円 |
救援者費用 |
450万円 |
最高500万円(年間限度) |
携行品損害 |
60万円 |
最高50万円 (自己負担3,000円) |
このように年会費無料の3カードの補償を合算させることで、年会費が11,000円(税込)の三井住友VISAゴールドカードと同等レベルの海外旅行保険を適用することができるのです。
※傷害死亡や後遺障害の補償額は、手持ちのカードの中でも最も高い金額が適用され、合算はできないので注意しましょう。
7枚のクレジットカード紹介において「キャッシュレスメディカルサービス」や「キャッシュレス診療」というワードが出てきています。これは、海外渡航中に病気や怪我などをして医療機関を受診した場合の治療費をどのように支払うのかを表した言葉です。
『現地の病院において治療費を払わずに治療を受けられるサービス』のことを意味しており、キャッシュレスメディカルサービスやキャッシュレス診療など各カード会社によって呼び方が多少異なりますが、意味合いとしては同じです。
海外旅行保険の項目として傷害治療費や疾病治療費があり、保険が適用される条件を満たしていたとしても、実際に受診した時の会計はどうすればよいのか迷ってしまいますよね。
キャッシュレス診療では、保険会社が病院へ治療費を支払ってくれますので、病院窓口でお金を支払う必要はありません。その分、どこの医療機関でも良いというわけではなく保険会社と提携を結んだ医療機関を受診する必要が出てきます。
一方でキャッシュレス診療を利用しない場合は、“後日精算”となり、一旦高額な医療費を医療機関の窓口で支払いをしなければなりません。日本国内では健康保険制度もあり医療費負担額が3割で済んでいる方が多いですが、渡航先では全額自己負担となります。渡航先によっても異なりますが、単に発熱で受診しただけでも数十万円の医療費が請求されることも少なくありません。
クレジットカードの海外旅行保険を利用する場合は、キャッシュレス診療に対応しているのか・それとも後日精算しかないのかをあらかじめ知っておくことが重要です。
今回ご紹介したクレジットカード7枚のうち、キャッシュレス診療に対応しているのは6枚で、セゾンブルー・アメリカン・エキスプレスカードだけが後日精算のみとなっています。
キャッシュレス診療を受ける手順や後日精算の流れをここで簡単に紹介します。
《キャッシュレス診療》
《後日精算》
年会費無料で海外旅行保険が充実しているクレジットカードということは、無料で海外旅行保険に加入することができると言いかえることができます。年会費無料のカードに付帯する保険なんて大したことないと侮ってはいけません。
この2つのテクニックによって、補償期間も補償内容もかなり充実させることができるでしょう。今回ご紹介した7種類のカードを参考に、貴方もお得な1枚を見つけてみてはいかがでしょうか?