身近な金融機関であるゆうちょ銀行は、JP BANKカードというクレジットカードを発行しています。ラインナップは8種類にものぼり、カードごとに特徴があります。JP BANKカードの魅力について、デメリットもふまえながら詳しくご紹介します。
目次
全国各地に多数展開しているゆうちょ銀行は、JP BANKカードというクレジットカードを発行しています。国際ブランドや年齢、ステータスにより、全部で8種類のラインナップから選ぶことができます。JP BANKカードは、ゆうちょ銀行のキャッシュカード機能とクレジットカード決済機能が一体化されており、2枚持ち歩かなくて済むので便利です。ただし、一部キャッシュカード機能の付かないクレジットカード単体型を選ぶことができます。
クレジットカードの口座引き落としは、ゆうちょ銀行の通常貯金口座を指定する必要があります。ゆうちょ銀行の口座を持っていない場合は、JP BANKカードの申込み前に口座の開設が必要です。
JP BANKカードの一般カードは、VISA、Mastercard、JCBの3つの国際ブランドから選べます。VISAとMastercardは三井住友カード、JCBはJCBカードとゆうちょ銀行が提携して発行しています。
申込み資格は、高校生を除く満18歳以上の方です。なお、VISA、Mastercardは、キャッシュカード機能の付かないクレジットカード単体型も選べます。
年会費は初年度無料ですが、翌年度以降は1,375円(税込)かかります。ただし、下記のいずれかの条件を満たすと年会費を無料にすることが可能です。
JP BANKカードは家族カードを1枚まで発行できます。対象は、本会員と生計を共にする配偶者、子ども、および両親に限ります。なお、高校生を除く満18歳以上の方のみです。
年会費は初年度無料ですが、翌年度以降は440円(税込)かかります。本会員同様に上記の条件次第で翌年度以降の年会費を無料にすることが可能です。
JP BANKカードは、さまざまなカードや機能を追加で発行できます。
JR東海エクスプレス予約サービスの「プラスEX会員」機能を追加で発行することができます。
東海道・山陽新幹線(東京~博多間)のネット予約&IC乗車サービスを365日お得な会員価格で利用できるサービスです。
年会費として1,210円(税込)かかります。スマホやパソコンからいつでも予約できたり、予約後は「プラスEXカード」を改札機にタッチするだけでスピーディに乗車できたり、予約の変更が手数料無料で何度も行えたりと大変便利です。
VISA、MastercardのJP BANKカードは、「JP BANK カード PiTaPa」を追加で発行できます。PiTaPaは、ポストペイ式電子マネーです。
入会金および年会費は無料ですが、1年間に一度もカードの利用がない場合は、一人あたり維持管理料1,100円(税込)かかります。なお、利用代金はJP BANK カードの利用分と合算して請求されます。
PiTaPaが利用できるのは、JR西日本ポストペイエリアだけでなく、全国相互利用サービスにより、Suica(東日本)、PASMO(首都圏)、ICOCA(西日本)やmanaca(東海)など全国各地でも利用可能です。
ただし、PiTaPaショッピング加盟店は、全国相互利用サービスの対象外のため関西を中心とした加盟店のみの利用となります。
PiTaPaショッピング加盟店にてPiTaPaで決済すると、ショップdeポイントが貯まります。通常は100円につき1ポイントですが、店舗により5倍・10倍・20倍のポイント進呈しているところもあります。500ポイント貯まると、PiTaPaポストペイエリアでの交通利用代金に充当できたり、他社ポイントプログラムに移行できたりします。
VISA、MastercardのJP BANKカードは、「JP BANK カード WAON」を追加で発行できます。WAONは、イオンが発行するプリペイド式電子マネーです。年会費は無料ですが、発行手数料として1枚あたり305円(税込)かかります。
現金チャージの他に、クレジットチャージやオートチャージも可能ですが、指定できるのはJP BANK カードのみです。ただし、クレジットチャージ、オートチャージの利用分は、JPバンクカードポイントのポイント計算およびボーナスポイントのお買物累計金額の対象となりません。
WAONは、イオングループやコンビニ、ファストフード店をはじめ全国約50万カ所で利用できます。WAONでの支払い200円(税込)ごとに1ポイント(還元率0.5%)貯まります。
イオングループの対象店舗ではいつでも2倍(還元率1.0%)となります。WAONポイントは1ポイントごとに、1円分のWAONに交換して利用可能です。さらに、毎月20日・30日のお客さま感謝デーは、WAONでの支払いで5%オフなどの特典もあります。
JP BANKカードは、お店の端末にスマートフォンをかざすだけでお買い物ができる決済サービスを利用できます。VISA、MastercardはiDとQUICPay、JCBはQUICPayとApple Payです。対象の決済サービスに、保有のJP BANKカードを登録することで利用できます。
iDとは、加盟店でJP BANK カード iD(ケータイ)のカード情報を登録した携帯電話(NTTドコモの「おサイフケータイ®」)を使ってお買物ができるサービスです。
年会費および発行手数料は無料です。ポストペイ型のため、利用代金はJP BANK カードの利用分と合算して請求されます。iDが使える場所は全国93.9万台以上にものぼり、コンビニやレストラン、タクシー料金までどんどん拡大しています。
Apple Pay は、iPhoneに搭載されている決済システムです。年会費および発行手数料は無料です。
お持ちのJP BANK カードをiPhone7、Apple Watch Series 2以降の端末へ設定することで、「iD」マークのあるお店や自動販売機などで利用できます。なお、Apple Payを利用するにはiOS 10.1以降が必要です。
ポストペイ型のため、利用代金はJP BANK カードの利用分と合算して請求されます。
QUICPay は、ポストペイ型電子マネーで、利用代金はJP BANK カードの利用分と合算して請求されます。
お持ちのAndroid™スマートフォンにJP BANK カードを設定するだけで無料にてサービスを利用できます。1回あたりの利用可能金額は2万円まで、総利用限度額はクレジットカードの利用限度額までです。QUICPayが使える店舗は、コンビニ、スーパー、ドラッグストアなど多岐にわたります。
JP BANKカードはETCカードを追加で発行できます。発行手数料、年会費は無料です。
ETCマイレージサービスに登録しておけば、ETCカードによる高速国道等の通行料金の支払額に応じてポイントが貯まり、ポイントを還元額(無料通行分)に交換して通行料金の支払いに利用できます。なお、VISA、Mastercardは、「JP BANKカードETC」、JCBは「ETCスルーカード」となります。
「JP BANKカードETC」には、会員保障制度が付帯されています。万が一紛失や盗難によりJP BANK カード ETCを他人に不正使用されて損害が生じても、紛失・盗難の届出日の60日前から期限なしで、損害を補償してもらえるので安心です。
JP BANKカードには、若者向けのラインナップがあります。ポイントがお得に貯まったり、各種保険が付帯されたりなど特典が満載です。国際ブランドはVISAとJCBのみで、選ぶブランドによりカード名と内容が異なります。
VISAを選択すると、JP BANK VISAカード Alenteとなります。申込み資格は、高校生を除く満18歳以上29歳以下の方です。家族カードも1枚まで発行でき、満18歳以上の方が対象となっています。なお、満30歳になった後の最初の更新時に、審査のうえJP BANK VISAカード(一般カード)に切り替わります。
JP BANK VISAカード Alenteの年会費は初年度無料ですが、翌年度以降は1,375円(税込)かかります。ただし、前年度に年1回以上のカードショッピング利用があれば年会費が無料になるため、実質無料で保有できるといえるでしょう。
JP BANK VISAカード Alenteは、入会後3か月間はポイント3倍(還元率1.5%)、海外加盟店でのショッピングでの利用はポイント3倍(還元率1.5%)、ポイント優遇店での利用分はポイント3倍(還元率1.5%)、マイ・ペイすリボの利用でポイント2倍(還元率1.0%)となり、ポイントがどんどん貯まります。
マイ・ペイすリボとは、事前に設定した毎月の支払い金額を超えた利用分が自動的にリボ払いになるサービスです。なお、ポイント優遇店は次の通りです。
JCBを選択すると、JP BANK JCB カード EXTAGEとなります。申込み資格は、満18歳以上29歳以下で、本人または配偶者に安定収入がある方、または高校生を除く満18歳以上29歳以下で学生の方です。家族カードも1枚まで発行でき、満18歳以上の方が対象となっています。
なお、初回カード更新時(5年後)、審査のうえ自動的にJP BANK JCB カード(一般カード)への切り替えとなります。
JP BANK JCB カード EXTAGEの年会費は新規入会後5年間無料となります。ただし、初回更新時(5年後)までに退会した場合、カード発行手数料(本会員および家族会員1人あたり2,200円 税込)がかかります。
JP BANK JCB カード EXTAGEは、入会後3か月間はポイントが3倍(還元率1.5%)、入会後4か月目以降もポイントが1.5倍(還元率0.75%)となります。
ただし、翌年度以降は利用合計金額(毎年12月16日から翌年12月15日までの利用分)が20万円以上で1.5倍となり、20万円未満ではボーナス特典がありません。また、海外加盟店でのショッピング利用分は獲得ポイントが2倍(還元率1.0%)となります。
若年層向けカードに付帯されるサービスは、一般カードと同様(プラスEX会員、JP BANK カード PiTaPa、JP BANK カード WAON、iD・QUICPay・Apple Payの決済サービス、ETCカード)です。
若年層向けカードには、海外旅行傷害保険が付帯されています。カードごとに補償内容が異なります。
【JP BANK VISAカード Alente】…利用付帯
【JP BANK JCB カード EXTAGE】…利用付帯
若年層向けカードには、ショッピング補償が付帯されています。カードごとに補償内容が異なります。
JP BANK VISAカード ALenteで購入した商品が壊れたり、盗まれたりしたときには、お買物安心保険が適用されます。
補償限度額は年間100万円まで、補償対象期間は購入日および購入日の翌日より90日間です。自己負担金として1事故につき3,000円かかります。ただし、海外での利用および国内でのリボ払い・分割払い(3回以上)の利用のみが対象です。
JP BANK JCB カード EXTAGEを利用して海外で購入した物品が偶然な事故によって損害を被った場合は、ショッピングガード保険が適用されます。
補償限度額は年間100万円まで、補償対象期間は購入日から90日以内です。自己負担金として1事故につき10,000円かかります。
JP BANKカードには、上位カードのJP BANK カード ゴールドがあります。一般カードの付帯サービスにプラスして、ゴールドカードならではの特典が受けられます。
年会費は11,000円(税込)かかりますが、年間の利用額に応じて翌年度の年会費が優遇されます。年間300万円以上の利用で50%優遇(5,500円)、年間100万円以上の利用で20%優遇(8,800円)です。また、家族カード(満18歳以上)を1枚発行でき、年会費はかかりません。
JP BANK カード ゴールドの国際ブランドはVISA、Mastercard、JCBの3つから選べます。申込み資格は、VISA、Mastercardが満25歳以上で安定収入のある方、JCBは満20歳以上で本人に安定収入のある方となっています。
なお、VISA、Mastercardは、キャッシュカード機能の付かないクレジットカード単体型も選べます。
JP BANK カード ゴールドは、充実した付帯サービスを受けられます。国際ブランドごとに内容の異なるサービスがあります。
全国の主要空港とダニエル・K・イノウエ国際空港/ホノルルのラウンジを無料で利用することができます。出発前までの時間をゆったりと快適に過ごすことができます。
【海外旅行傷害保険/VISA、Mastercard】…自動付帯
なお、本会員・家族会員以外の家族にも海外旅行傷害保険が自動付帯されます。家族の範囲は、満19歳未満の方で、会員と生計を共にする同居の親族、または別居の未婚の子どもが対象です。
【海外旅行傷害保険/JCB】…自動付帯
【海外航空機遅延保険/JCB】…自動付帯
【国内旅行傷害保険/VISA、Mastercard、JCB】…自動付帯
【お買物安心保険/VISA、Mastercard】
JP BANK カード ゴールドで購入した商品が壊れたり、盗まれたりしたときに補償されます。補償限度額は年間300万円まで、補償対象期間は購入日および購入日の翌日より90日間です。自己負担金として1事故につき3,000円かかります。
【ショッピングガード保険/JCB】
JP BANK カード ゴールドを利用して購入した物品が偶然な事故によって損害を被った場合に補償されます。補償限度額は海外および国内ともに年間500万円まで、補償対象期間は購入日から90日以内です。自己負担金として1事故につき3,000円かかります。
JP BANK カードの一般カード、若者向けカードでは、1,000円につき1ポイント付与されます。1ポイントは5円相当のため還元率は0.5%です。JP BANK カードゴールドは、1,000円につき2ポイント付与されるため、還元率は1.0%となります。
ただし、国際ブランドによって貯まるポイントの種類が異なります。VISA、MasterCardの場合は、「JPバンクポイント」、獲得月から2年間、JCBの場合は「OkiDokiポイント」です。
なお、有効期限はJPバンクポイントが獲得月から2年間、OkiDokiポイントが獲得月より2年間(一般カード)、獲得月より3年間(ゴールドカード)です。
JP BANK カードでは、年間利用額に応じてポイントの優遇サービスがあります。国際ブランドごとに内容が異なります。
【VISA、Mastercard】
前年度のお買物累計金額によってステージが設定され、ステージと次の1年間のお買物累計金額に応じてボーナスポイントが加算されます。詳しい内容は次の通りです。
お買い物累計金額 |
ステージ |
一般カードの ボーナスポイント |
ゴールドカードの ボーナスポイント |
---|---|---|---|
300万円以上 |
V3 |
50万円で150P 以降10万円ごとに30P |
50万円で300P 以降10万円ごとに60P |
100万円以上300万未満 |
V2 |
50万円で75P 以降10万円ごとに15P |
50万円で150P 以降10万円ごとに30P |
50万円以上100万円未満 |
V1 |
50万円で50P 以降10万円ごとに10P |
50万円で100P 以降10万円ごとに20P |
【JCB】
JP BANK カードは、年間でJCBカードを一定金額以上利用された方だけに、特別に提供されるメンバーシップサービス「JCB STAR MEMBERS」が適用されます。集計期間中の利用合計金額に応じてランク適用中のポイントがアップします。
利用合計金額 |
メンバーランク |
一般カード |
ゴールドカード |
---|---|---|---|
300万円以上 |
ロイヤルα |
- |
25%アップ |
100万円以上 |
スターα |
20%アップ |
20%アップ |
50万円以上 |
スターβ |
10%アップ |
10%アップ |
また、対象期間に対象となる固定電話・携帯電話・PHS、電気、都市ガス、水道、放送、新聞といった公共料金を毎月(毎回)の支払いをJP BANK JCB カードで支払い、さらにショッピングリボ払いを利用すると、ボーナスポイントが付与されます。詳しい内容は次の通りです。
契約業種数 |
1つ |
2つ |
3つ |
4つ |
---|---|---|---|---|
EXTAGE |
50P |
100P |
150P |
200P |
一般カード |
50P |
100P |
150P |
200P |
ゴールドカード |
100P |
200P |
300P |
400P |
【VISA、Mastercard】
JPバンクポイントはギフトカードや提携先のポイントに交換できます。詳しい内容は次の通りです。
〇ポイント交換コース
〇ポイント移行コース(JPバンクポイント1ポイントあたりの交換レート)
【JCB】
OkiDokiポイントは、多種多様なものと交換できます。その中から、OkiDokiポイント1ポイントあたりの交換レートが4ポイント(円)以上になるお得な交換先のみを抜粋してご紹介します。
〇他社ポイントプログラムへ移行
〇商品券
〇オンラインギフト
ネットショッピング時に経由するだけで、ポイントが2倍~最大20倍貯まるポイント優待サイトを利用できます。
VISA、Mastercardなら、三井住友カードが運営するショッピングモール「ポイントUPモール」、JCBならJCBが運営するネットショッピングモール「OkiDokiランド」です。モールを経由するだけで、いつものネットショップと変わらない上、多数の人気ショップと提携しています。
JP BANK カードを店舗や施設で提示するだけで受けられる優待サービスが全国にあります。一部で予約・購入時の申告や、クーポンとの併用が必要な施設もあります。主な店舗をご紹介します。
JCBなら「JCB ORIGINAL SERIESパートナー(優待店)」を利用すると、通常よりもポイントがお得に貯まります。Amazonで3倍、セブンイレブンで3倍、スターバックスで10倍など多種多様な店舗が加盟しています。
また、対象のかんぽの宿の宿泊料金・飲食料金をJP BANK JCB カードで支払うと、ポイントを最大3倍プレゼントという特典があります。ただし、現地決済以外の支払い(他社旅行サイトでの支払いなど)は対象外です。
JP BANKカードの一般カードは、0.5%と還元率が低くなっています。一般カードでも1.0%以上のカードが存在するため、還元率の低さは一番のデメリットです。ただし、ポイント優遇サービスにより利用次第では還元率をアップさせることもできます。
ゆうちょ銀行の口座を指定する必要があるため、ゆうちょ銀行をメインバンクとしない方には利用しづらいといえます。また、家族カードを1枚しか発行できないのも、家族構成によってはデメリットといえるでしょう。
家族カードは、本人に収入がなくても発行でき、ポイントを本会員と集約できるなどの魅力があるためです。
JP BANKカードでクレジットヒストリーを磨いても、上位カードであるJCBゴールド ザ・プレミアやJCB ザ・クラス、三井住友プラチナカードのインビテーションが届きません。上位カードを目指したい方にとって、JP BANKカードは魅力を感じられないでしょう。
JP BANKカードは、ゆうちょ銀行をメインバンクとする方におすすめのカードです。
一般カードはポイント還元率が低めですが、比較的簡単な条件で年会費を無料にすることができるので、実際に試してみてもいいでしょう。また、種類によって受けられる特典やサービスが異なるため、ご自身のライフスタイルに合った最適な一枚を見つけて下さい。