電子マネーの魅力はクレジットカードからチャージすることで、ポイントが2重に貯まることです。また電子マネーはお手持ちのカードやスマホをかざすだけで支払いが完了しますので、現金はもちろんクレジットカードよりも支払いが楽になります。特に電車やバスを利用している人にとって、電子マネーは必須でもあるといえるでしょう。今回は電子マネーの発行枚数をランキング形式で紹介し、それぞれの電子マネーの基本的な特徴やメリットについて解説します。
2018年度版電子マネー発行枚数ランキングは、次のようになっています。
ランキング |
電子マネー名称 |
発行枚数 |
---|---|---|
1位 |
楽天Edy |
1億2,060万枚 |
2位 |
Suica |
7,616万枚 |
3位 |
nanaco |
6,665万枚 |
4位 |
PASMO |
3,545万枚 |
5位 |
iD |
2,148万枚 |
6位 |
ICOCA |
1,245万枚 |
7位 |
QUICPay |
680万枚 |
8位 |
manaca |
399万枚 |
9位 |
PiTaPa |
332万枚 |
圏外 |
WAON |
7,000万以上(推定) |
ランキング1位は楽天Edyです。しかし楽天Edyはコンビニなどでバラマキされていることや、楽天カードに内蔵されるようになったこととなどを考えると、純粋に電子マネーとして発行し利用されているSuicaも同じくらい強いと考えられます。またWAONは発行枚数を公表していませんがかなりの上位であることが予想されています。
続いて電子マネー発行数ライキングを上位から順に検証していきましょう。それぞれの特徴や魅力について解説しますので、この中からどうぞお気に入りの一枚を見つけてみてください。
年間発行数ダントツ一位の楽天Edyは主要のコンビニのほとんどに加えて、スーパーやドラックストアなどでも使うことができます。またチャージできるクレジットカードが多いのも特徴で、主要クレジットカードの楽天カードはもちろん次のクレジットカードからチャージすることができます。
それぞれのクレジットカードでチャージするときクレジットカードのポイントも貯まりますので、ポイント還元率は1.5%以上になる場合も少なくありません。その他楽天Edyの基本情報は次の通りです。
発行元 |
楽天 |
---|---|
通常ポイント還元率 |
0.5%(200円につき1ポイント=1円) |
主要クレジットカード |
・楽天カード ・楽天プレミアムカード |
年会費・入会費 |
0円 |
チャージ方法 |
・コンビニなどで現金からチャージ ・クレジットカードからチャージ ・楽天Edyアプリからチャージ ・楽天ポイントからチャージ ・楽天カードからオートチャージ |
入金上限額 |
50,000円 |
加盟店 |
55万店舗以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・スリーエイト ・スリーエフ ・デイリーヤマザキ ・ポプラ |
交通系電子マネーの代表格とも言えるSuica。発行元はJR東日本ですが他の電子マネーと相互利用できますので、日本全国で使用することができます。交通系電子マネーですが、主要コンビニを含む加盟店数は多いので、普通の電子マネーとしても使うことができます。クレジットカードの「ビュー・スイカ」カードやビックカメラSuicaカードがあればオートチャージ機能もついていますので便利です。
発行元 |
JR東日本 |
---|---|
通常ポイント還元率 |
0.5〜1%(200円につき1〜2ポイント=1ポイント=1円) |
主要クレジットカード |
・「ビュー・スイカ」カード ・ビックカメラSuicaカード |
年会費・入会費 |
0円 |
チャージ方法 |
・コンビニなどで現金からチャージ ・クレジットカードからチャージ ・券販売機からJRE POINTでチャージ ・「ビュー・スイカ」カードやビックカメラSuicaカードからオートチャージ |
入金上限額 |
20,000円 |
加盟店 |
23.8万店舗以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・スリーエイト ・デイリーヤマザキ ・ポプラ |
Suicaのオートチャージや切符、定期券の購入はポイント3倍でどんどんポイントが貯まる
セブン&アイHDが発行するnanacoは、セブン-イレブンの他イトーヨーカドーなどでもポイントが貯まります。セブン-イレブンで使える電子マネーはたくさんありますが、nanacoならポイントが貯まるだけではなくセブン-イレブンやイトーヨーカドーでボーナスポイントが貯まる商品があります。これらボーナスポイントが貯まる商品を買うとポイントがすぐに貯まる、というのが人気の秘密でしょう。1%というポイント還元率の高さも魅力の一つでしたが、残念ながら0.5%と改悪となってしまいました。しかしセブンカード・プラスからチャージすればオートチャージ機能があり、ポイントも貯まりやすくなります。
発行元 |
セブン&アイHD |
---|---|
通常ポイント還元率 |
0.5%(200円につき1ポイント=1円) |
主要クレジットカード |
・セブンカード・プラス |
年会費・入会費 |
発行手数料300円。年会費無料。クレジットカードなら両方無料。 |
チャージ方法 |
・セブン銀行やnanaco端末のある場所で現金からチャージ ・クレジットカードからチャージ ・nanacoポイントからチャージ ・セブンカード・プラスからオートチャージ |
入金上限額 |
50,000円 |
加盟店 |
44.9万店舗以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン |
交通系電子マネーの中で発行枚数第2位のPASMOは、首都圏にある電車やバスのほとんどで利用することができます。もともとJRのSuicaに対抗して出てきたカードで、首都圏の私鉄やバスの利用が主な対象ですが、現在ではSuicaを含む全国の交通系電子マネーとの相互利用がされるようになっていますので、JRを含む全国の電車やバスでも使用できます。電子マネーとして通常の買い物で利用することもできますが、残念ながらPASMOのポイントはありません。
発行元 |
株式会社PASMO |
---|---|
通常ポイント還元率 |
0%。特定のバス利用のみバスポイントが貯まる |
主要クレジットカード |
・パスタウンPASMO |
年会費・入会費 |
0円 |
チャージ方法 |
・コンビニなどで現金からチャージ ・クレジットカードからチャージ ・メトロポイント、TOKYU POINTからチャージ ・パスタウンカード等からオートチャージ |
入金上限額 |
20,000円 |
加盟店 |
92,000店舗以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・スリーエイト ・デイリーヤマザキ ・ポプラ |
NTTドコモが発行するiDカードは加盟店の多さが魅力で、電子マネーが使える店舗のほとんどで使用することができます。iD独自のポイントはありませんが、紐付けされているクレジットカードの仕組みが貯まる仕組みになっています。例えばiDをdカードで使用すればdポイントが貯まりますし、イオンカードで使えばときめきポイントが貯まります。特にdカードは加盟店で使うとポイントが何倍も貯まりますのでお得です。例えばローソンでの買い物をiDで決済すると3%オフ+ポイント2%となり、ローソンのメインカードであるPontaカードよりもお得になります。またiDは支払い方式も紐付けするクレジットカードによってプリペイド(前払い)、ポストペイ(後払い)、デビット(銀行引き落とし)などを自由に選ぶこともできるのも特徴です。
発行元 |
NTTドコモ |
---|---|
通常ポイント還元率 |
0%。ただしid加盟店で使うと紐付けしているクレジットカードのポイントが貯まる。 |
主要クレジットカード |
・dカード ・dカードGOLD |
年会費・入会費 |
0円 |
チャージ方法 |
・クレジットカードにiDが搭載している場合ポストペイとして支払うことができる ・一部のクレジットカードではオートチャージのプリペイドとして支払うこともできる ・SMBCデビットなら銀行口座から直接引き落とされる ・iDのアプリをダウンロードしてクレジットカードを登録すればポストペイで支払うことができる |
入金上限額 |
20,000円 |
加盟店 |
50万店舗以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・スリーエイト ・デイリーヤマザキ ・ポプラ |
ICOCAは西日本が発行する交通系電子マネーですが、Suicaなどと相互利用をしていますので実質全国の鉄道やバスで利用することができます。Suicaと同様電子マネーとしてのポイントも貯まりますので、クレジットカードからのチャージでポイントの2重取りができます。ただしオートチャージ機能はありません。交通系電子マネーは基本的に全て相互利用できますが、一部では利用できないことがあります。しかしICOCAは全国にある電車やバスのほとんど全てを利用できますので、一部では「最強の交通系電子マネー」とまことしやかに囁かれています。
発行元 |
JR西日本 |
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通常ポイント還元率 |
0.5%(200円につき1ポイント=1円)また適用区間では列車の利用の回数や時間帯により最大50%のポイントが貯まる |
主要クレジットカード |
・J-WESTカード |
年会費・入会費 |
0円 |
チャージ方法 |
・駅にある入金機、精算機、あるいはコンビニで現金からチャージ ・駅にあるクイックチャージ機からクレジットカードでチャージ ・ICOCAポイントからチャージ |
入金上限額 |
20,000円 |
加盟店 |
66,000店以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・デイリーヤマザキ ・ポプラ |
QUICPayには主要クレジットカードがありませんが、代わりに色々なクレジットカードや携帯に対応しています。それでクレジットカードや携帯のキャリアに関係なく利用できるのがQUICPayの大きな特徴の一つと言えるでしょう。独自のポイントはありませんが、クレジットカードによってはポイントが2倍以上に貯まるものもあります。
発行元 |
JCB |
---|---|
通常ポイント還元率 |
0%。ただしQUICPay加盟店で使うと紐付けしているクレジットカードのポイントが貯まる。 |
主要クレジットカード |
特になし |
チャージ方法 |
・お手持ちの携帯電話に情報登録するだけで基本的にチャージ不要 |
入金上限額 |
20,000円 |
加盟店 |
29万店以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・デイリーヤマザキ ・ポプラ |
manacaは名古屋市を中心とする交通系電子マネーです。TOICAが東海エリアのJR系の電子マネーであるのに対しmanacaは主にJR以外の鉄道のための電子マネーです。名古屋市民で鉄道を少しでも利用している人はほとんど全ての人が持っていると言っても過言ではないほどの人気です。人気の秘密は鉄道を利用した時のポイント還元システムで、最大14%も貯まります。定期券を購入してもポイントが貯まりますので、名古屋の鉄道を利用している人ならすぐにポイントが貯まります。またPiTaPa以外の全国の交通系電子マネーと相互利用できます。
発行元 |
株式会社エムアイシー 名古屋交通開発機構 |
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通常ポイント還元率 |
通常の買い物は0%。ただし名古屋市交通や名鉄で使うと最高14%のポイントが貯まる。 |
主要クレジットカード |
・Wellow card manaca |
年会費・入会費 |
0円 |
チャージ方法 |
・駅にある入金機、精算機、あるいはコンビニで現金からチャージ ・駅にあるクイックチャージ機からクレジットカードでチャージ ・Wellow card manacaからオートチャージ |
入金上限額 |
20,000円 |
加盟店 |
17,850店以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・デイリーヤマザキ |
nimocaは九州函館を中心とした交通系電子マネーの一つで、通常の買い物の他nimocaエリアの電車やバスで使うとnimocaポイントが貯まります。nimoca対応のクレジットカードを使えば、オートチャージやポイントの二重取りも可能です。 またPiTaPaを除く全国の交通系電子マネーの相互利用もできますので、九州以外でも利用可能です。
発行元 |
西日本鉄道 |
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通常ポイント還元率 |
0.3%(1000円につき3ポイント。1 ポイント=1円)その他西日本鉄道の利用でポイントが貯まる。 |
主要クレジットカード |
・JMB nimoca ・アレコレnimoca ・オールインワンnimoca |
年会費・入会費 |
デポジット500円(クレジットカードならデポジットなし) |
チャージ方法 |
・バス、熊本市電車載機、電車載機、ローソン等で現金からチャージ ・駅にあるクイックチャージ機からクレジットカードでチャージ ・「JMB nimoca」「アレコレnimoca」等からオートチャージ |
入金上限額 |
20,000円 |
加盟店 |
13,600店以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・デイリーヤマザキ |
PiTaPaは関西エリアの私鉄で主に利用されている交通系電子マネーです。交通系電子マネーとしては珍しくポストペイ(後払い)を採用しているため、PiTaPaエリア以外での一部の使用はできないところもあり、その点では西日本が発行しているICOCAの方が利便性が高いのが現状です。しかしPiTaPaエリア使用すると様々な割引がありますので、通勤、通学で利用する人にとってお得です。
発行元 |
スルッとKANSAI |
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通常ポイント還元率 |
0.5% |
主要クレジットカード |
・OSAKA PiTaPa |
年会費・入会費 |
デポジット500円(クレジットカードならデポジットなし) |
チャージ方法 |
・OSAKA PiTaPa等からオートチャージ |
入金上限額 |
20,000円 |
加盟店 |
26,000店以上 |
コンビニ利用店 |
・セブン-イレブン ・デイリーヤマザキ |
最後に紹介する電子マネーWAONは、イオンが発行する電子マネーです。発行数が非公開のため今回はランキング圏外となっていますが、最後に公開していた2017年の6,660万枚から予想すると7000万枚強となり、楽天Edy、Suicaに次ぐ第3位に当たります。WAON払いにすると毎月20日、30日のお客様感謝デーではイオンやダイエーなどで支払いが5%オフになりますので主婦層から強い指示があります。ポイント還元率が最も高いことで人気だったnanacoの還元率が1%から0.5%になるなど、改悪が多いクレジットカード・電子マネー業界の中で、WAONは2019年7月1日からポイント還元率が0.5%から1%と2倍に改善しましたので、これから発行枚数が急激に増加することが予想されます。加盟店数が非常に多いですが、コンビニで使用できるところが少ないのが唯一の弱点です。
発行元 |
イオン株式会社 |
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通常ポイント還元率 |
1%(200円利用ごとに2ポイント。1ポイント=2円) 毎月10日はポイント5倍(還元率2.5%) |
主要クレジットカード |
・イオンカードセレクト |
年会費・入会費 |
発行手数料300円。年会費無料。クレジットカードの場合全て無料。 |
チャージ方法 |
・WAONチャージャーやイオン銀行ATMから現金、クレジットカードでチャージ ・WAONチャージャーで各種ポイントからチャージ ・イオンカードセレクトからオートチャージ |
入金上限額 |
50,000円 |
加盟店 |
44万店以上 |
コンビニ利用店 |
・ファミリーマート |
今日申し込んで今日使える!毎月10日「ときめきWポイントデー」はときめきポイントが2倍!イオングループ対象店舗なら、ときめきポイントがいつでも2倍!
電子マネーランキング上位10社を紹介しましたが、お気に入りの1枚は見つかりましたか?種類がたくさんある電子マネーですが、大きく分けると次の2種類に分けることができます。
流通系電子マネー |
・楽天Edy(楽天) ・nanaco(セブン&アイ) ・iD(docomo) ・QUICPay(JCB) ・WAON(イオン) |
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交通系電子マネー |
・Suica(JR東日本) ・PASMO(首都圏私鉄) ・ICOCA(JR西日本) ・manaca(名古屋私鉄) ・nimoca(九州私鉄) ・PiTaPa(関西私鉄) |
それで初めて電子マネーを利用するなら、まず流通系電子マネーか交通系電子マネーのどちらが必要かを考えておきましょう。電車やバスを利用することがあるならご自分が利用するJRや私鉄が関係している交通系電子マネーを1枚持っておくと便利です。基本的にどの交通系電子マネーも全国の交通系電子マネーと相互利用できることになっていますので、どれか1枚で十分です。
また賢くポイントを貯めたいなら流通系電子マネーの楽天Edyを持っておくと便利です。WAONやnanacoも便利ですが、それぞれがライバル関係のため利用できるコンビニの数が限られてしまいます。一方楽天Edyはコンビニとしては中立的な立ち位置ですし、発行部数が最も多いので加盟店数も多く利用して困ることはありません。
今回は電子マネーをランキングと共に解説しました。電子マネーは年々発行数が増えてきていますが、政府のキャッシュレスキャンペーンに合わせて今後もさらに発行部数や使用できる店舗が増えていくでしょう。今回はランキング上位10枚の電子マネーを紹介しましたが、これ以外にも魅力的でユニークな特徴をもった電子マネーはたくさんあります。あなたの生活スタイルや使用頻度が多い店に合わせて電子マネーを賢く使い分ければあなたの生活はさらに便利になり、消費税増分、あるいはそれ以上をポイントで賄うことができるようになります。