現在国内では非常に多くの種類のクレジットカードが発行されており、どのカードを選んだらよいのか迷っているという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は“銀行系クレジットカード”というジャンルにスポットをあて、その全貌を詳しく解説していきます。メリット・デメリットはもちろん、おすすめの銀行系クレジットカードについてもご紹介しています。
そもそもこの“銀行系クレジットカード”という言葉が流通し始めたのは、銀行が預貯金以外の様々な金融商品を取り扱うようになったことにあります。
ローンなどのその他の金融商品は企業や事業主を対象としているものが多く、銀行が個人に向けて行っている事業としては資金を預かりその資金を運用する“預金業務”と“融資業務”がメインでした。少しずつ個人に向けた各種ローンやクレジットカードなどの事業を行う銀行が増えていき、いまではメガバンクはもちろん、地方銀行でも個人向けの様々な金融商品を取り扱っています。
クレジットカードというと信販会社が発行するものが一般的でしたが、銀行の事業拡大に伴い、銀行が発行するクレジットカードという新たなジャンルが生まれたのです。
クレジットカードの比較や財務テクニックなどを紹介する雑誌やインターネットサイトなどが、“銀行系クレカ”と呼び始めたことがきっかけとなり、今では多くの人に浸透する言葉となっています。
この“銀行系クレジットカード”という言葉ですが、名づけ元が明確ではないことから、言葉の定義自体も曖昧となっているのが現状です。
前者は銀行から直接発行しているものに限定しており、後者はグループ会社に銀行が入っていれば良しとしています。このように、同じ言葉でも微妙に異なる使い方がされることがあるのです。
近年では、流通系大手のイオンやセブンアンドアイ、ローソンなどが傘下に銀行を作っていることや、楽天銀行などインターネットバンクも増えてきています。これらの現状を鑑みて、本ページでは後者の“銀行やそのグループ会社が発行しているクレジットカード”かつ“銀行に関する優待サービスが備わっているもの”を銀行系クレジットカードとして取り扱っていきます。
銀行系クレジットカードは、メリットが多く人気が高いジャンルです。そのメリットについて詳しく見ていきましょう。
多くの銀行系クレジットカードは、1枚のカードで2つの役割を果たしてくれます。
1つ目は“クレジットカードとしての機能”2つ目は“銀行のキャッシュカードとしての機能”です。
キャッシュカードとしても使えるため、ATMにて入金や出金を行うことができます。持ち運ぶカードの枚数を減らしてスマートに生活することができるようになるでしょう。
銀行のATMを使う上でネックなのがATM手数料です。時間外手数料やATM利用手数料など、1回あたり数百円の手数料を取られた経験がある方も多いのではないでしょうか?
1回あたりの金額は少額でも、頻繁にATMを利用するという方にとっては節約しておきたいところです。
銀行系クレジットカードの最大のメリットとも言えるのが、このATM手数料に関する優待でしょう。各社、優待内容が異なりますが、ATMを使う上で発生する各種手数料に関する優待を受けることができ、非常にお得です。
普段は利用手数料のかからない銀行のATMまで出向いているという方も、優待があるので気軽にコンビニのATMを使って入出金できるようになるでしょう。
クレジットカードを使っていく上で不安なのは、不正使用や情報流出といったセキュリティ面ではないでしょうか?銀行系のクレジットカードに、強い信頼性を感じる人も多いでしょう。
日本経済を担う銀行は、一般的な信販会社よりも社会的な信用という面において圧倒的な差があります。長年金融というものに携わってきたからこその強固なセキュリティや個人情報の取り扱いに関するノウハウや意識の徹底などがしっかりと行われているのです。
クレジットカードの種類によっては、提示することに抵抗を感じるという方も多いようです。特に、テレビCMを多くやっている年会費無料のカードは、審査が緩く誰でも持てるというイメージが強く、ビジネスシーンなどではあまり好まれない傾向があります。
その点同じ年会費無料のカードであっても、社会的な信頼感の強い銀行系のクレジットカードであれば周りの人に見られても恥ずかしくなく、抵抗なく提示することができるという意見が多く聞かれます。
銀行では、クレジットカード発行以外にも多数の金融商品を提供しています。カードローンやマイカーローン、住宅ローンなどが人気です。
銀行の口座開設や、銀行系クレジットカードの発行や利用などで、他の商品の金利などが優遇されることがあります。クレジットカードや銀行機能を含めて、金融関連のやりとりをすべて一つの銀行にまとめることは、銀行側にとっても消費者側にとってもメリットがある仕組みになっているのです。
銀行系クレジットカードはメリットが多いものの、反対にデメリットいくつかも存在します。カードを上手に利用するためにも、デメリットもしっかりと理解しておきましょう。
給与振込や各種引き落としなど、メインで使っている銀行口座というものは誰しもお持ちでしょう。クレジットカードの引き落としも、いつも使っているメインバンクにした方が管理も楽になります。
しかし銀行系のクレジットカードは、自社の銀行口座からの引き落としに限定されているものがほとんどで、引き落とし口座を自由に選択できません。
年会費が無料でかつポイント還元率が高いクレジットカードが、近年の主流になりつつあります。1.0%以上のポイント還元率を誇るカードがいわゆる“高還元カード”と呼ばれ、人気が高いです。銀行系クレジットカードの多くは、高ポイント還元をウリにはしておらず、ポイント還元率も0.5%前後と決して高くはありません。
クレジットカードを紛失した場合、再発行の手続きを取ると共にカード発行会社から再発行にあたってのいくつかの案内を受けなければなりません。銀行系クレジットカードの場合、クレジットカードを紛失しただけでなくキャッシュカードも紛失したことになるので、ノーマルなクレジットカード紛失時と比較して手続きが複雑化します。
場合によっては、カードを停止したあと、クレジットカード会社側・銀行側の2社と再発行についてのやりとりを交わす必要も出てきます。
カード解約時は、書面や電話だけで手続きを行うことが一般的です。
しかし銀行系クレジットカードとなると、「クレジットカード部分のみの解約なのか・銀行口座自体も解約するのか・クレジットカード部分のみの解約となると、キャッシュカード単体で再発行の手続きをする必要が出てくる」など解約手続きも複雑化してしまいます。
電話や書面だけでは手続きができず、銀行窓口に出向いて解約手続きをしなければならないこともあるでしょう。
クレジットカードの発行業務を行う銀行は、増加傾向にあります。銀行系のクレジットカードだからといって、サービス内容はどこも同じではありません。自分が上手に使いこなせる1枚を選んで申し込みをしましょう。
そこで今回は、銀行系クレジットカードの中でも特におすすめ度の高い3種類をご紹介します。
格付投資情報センター(R&I)や日本格付研究所(JCR)といった、法人の信用度を格付けにして可視化できるようにする機関があります。銀行部門において、非常に安定性・経済力共に高く評価されているのが、みずほ銀行です。
そんなみずほ銀行から発行されている、銀行機能と一体型になっているクレジットカードをご紹介します。
カード発行元 |
みずほ銀行 提携先:セゾンカード、UCカード、オリエントコーポレーション |
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年会費 |
無料 (ゴールドカードのみ11,000円) |
ポイント還元率 |
0.5%~ |
発行日数 |
3週間~4週間 |
その他 |
・ライフスタイルに合わせた充実のラインアップ ・Apple Payに登録可 ・メガバンクならではの安心感 |
みずほ銀行が各信販会社と提携を結んで発行しているクレジットカードの総称を“みずほマイレージクラブカード”といいます。このみずほマイレージクラブカードの保有者を対象として、みずほ銀行では様々な優待サービスを用意しています。
みずほマイレージクラブカードは、全部で6種類あります。
それぞれ特徴がありますので、自分のライフスタイルに合わせた1枚を選ぶことができるでしょう。
カード名 |
特徴 |
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セゾンVISA/セゾンJCB
発行元:セゾンカード
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・クレジットカード機能とキャッシュカード機能のみのスタンダードな1枚 |
UC Mastercard/UC Mastercard ゴールド
発行元:UCカード
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・『セゾンVISA/セゾンJCB』と同様のスタンダードな1枚 ・ゴールドカードへのランクアップ可 ・家族カード発行対応可 ・ハローキティデザインが選べる |
みずほマイレージクラブカード/THE POINT
発行元:オリエントコーポレーション
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・キャッシュカード、クレジットカード分離型 ・家族カード発行対応可 ・ポイント還元率が1.0% |
みずほマイレージクラブカード/ANA
発行元:UCカード |
・ANAマイレージクラブ機能付帯 ・クレジットカード利用でもマイルが貯まる ・家族カード発行対応可
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みずほマイレージクラブカード/セゾンSuica
発行元:セゾンカード |
・電子マネー「Suica」機能付帯 ・クレジット利用で貯めたポイントをSuicaチャージに利用できる ・SuicaのオートチャージやモバイルSuicaに対応 |
セゾンアメリカン・エキスプレス・カード・ベーシック
発行元:セゾンカード
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・アメックスならではの手厚い補償が年会費無料で受けられる ・アメリカンエキスプレスカード会員限定の優待プログラムが利用可 |
みずほマイレージクラブカードの会員になることで以下の特典を受けることができます。
通常、110円~220円かかる時間外手数料が無料になります。平日の深夜早朝の時間外手数料だけでなく、土日祝日の利用手数料も回数制限なく無料になるため非常にお得です。
ローソンに設置されている「LAWSON銀行ATM」・セブンイレブンに設置してある「セブン銀行ATM」・FamilyMartやデイリーヤマザキに設置されている「Enet」を、月4回まで無料で利用することができます。
無料になるのは、利用手数料と時間外手数料であり、毎月1日から末日までの間に4回までです。
みずほ銀行ATM、イオン銀行ATM、みずほダイレクトを利用してみずほ銀行支店宛に振込む場合に限り、振込手数料無料で取引が可能です。通常、110円~880円かかる振込手数料が回数制限なく無料になります。
また、みずほ銀行のサービスやクレジットカードの利用状況などに応じて、最大月4回まで他行あての振込手数料も無料にすることができます。
カードの紛失や切り替えなどでの再発行時の発行手数料が無料になります。有料の場合は1,100円かかる発行手数料は、みずほ銀行キャッシュカードの大きなデメリットといわれています。みずほマイレージクラブ会員になることで、そのデメリットをリカバリーすることができます。
三菱UFJ銀行も、銀行部門の格付けにおいて高い信用性で評価はいつもトップクラスに君臨する銀行です。アメリカのユニオンバンクを子会社としているという特徴もあり、世界的にも通用するメガバンクと言えるでしょう。
三菱UFJ銀行では信販会社を通さずに、自社でクレジットカードを発行しています。
カード発行元 |
三菱UFJ銀行 |
---|---|
年会費 |
無料 |
ポイント還元率 |
0.5%~1.00% |
発行日数 |
3週間前後 |
その他 |
・学生可 ・ポイントの交換先が非常に豊富 ・ETCカード、家族カードも年会費無料 ・楽天ペイに対応 ・海外旅行保険、ショッピング保険が付帯 |
三菱UFJ銀行では2019年10月現在、17種類のクレジットカードを発行しています。その中でも、銀行ならではのサービスが充実したスタンダードな1枚がこの“三菱UFJ-VISA”です。年会費無料にも関わらず、海外旅行保険が付帯している点など、カードとしてのスペックも高いと言えます。
利用に応じて、ゴールドカードへのランクアップを狙えるという点も人気のポイントでしょう。
三菱UFJ銀行のスーパー普通預金を利用し、当該クレジットカードの引き落としがあればATM手数料の優待を受けることができます。引き落としの金額についての条件はありませんので、1円でも引き落としがあればOKです。
優待内容は、「三菱UFJ銀行のATM利用手数料が何回でも無料」・「提携先コンビニATM利用手数料も2回まで無料」という2つです。
流通系大手のAEONのグループ会社である“イオンクレジットサービス”が発行する銀行系カードです。イオンの誇る全国の店舗数やATMの設置台数など、流通系ならではの強みを生かした1枚となっています。
カード発行元 |
イオンクレジットサービス |
---|---|
年会費 |
無料 |
ポイント還元率 |
0.5%~ |
発行日数 |
3週間~4週間 |
その他 |
・電子マネーWAONが付帯 ・ランクアップしてゴールドカードになっても、年会費無料 ・ミニオンズデザインも選べる ・イオンの店舗で割引優待 ・店舗によっては即日発行も可 ・Apple Pay、楽天ペイに対応 |
電子マネーのWAON機能も付帯している当該カードは、1枚でクレジット・キャッシュカード・電子マネーカードの3つの機能を兼ね備えています。
クレジット・電子マネー部分の利用有無に関わらず、イオン銀行関連の様々な優待を受けることができる、非常にお得度の高い1枚です。
イオンの店頭やミニストップなど全国約55,000台のATMが対象です。24時間365日、入出金手数料無料で利用することができます。
深夜や早朝、土日祝日など、一般的に時間外とされる部分は除外されますが、所定時間内は手数料無料でATMを利用することができます。
イオン銀行間の振込であれば、振込手数料が24時間365日無料です。他行宛については、「イオン銀行MYステージ」という、利用によって決まるステージに応じて最大5回まで無料となります。
今日申し込んで今日使える!毎月10日「ときめきWポイントデー」はときめきポイントが2倍!イオングループ対象店舗なら、ときめきポイントがいつでも2倍!
銀行系のクレジットカードは、セキュリティ面や企業としての社会的な信頼度という点から、長く安心して使っていける1枚を探している人にピッタリです。ポイント還元率や再発行時の手間などデメリットもありますが、それを上回るメリットが存在するため、多くの人から指示を集めているのでしょう。
銀行系というだけで敷居が高いとイメージされる方も多いようですが、限られた人しか持てないということは全くありませんので、気軽に申し込みを検討してみてはいかがでしょうか?